

賃貸「お金の話」
お部屋を借りるとき、退去するとき、家賃と管理費以外にも思わぬ支払いがあって困ってしまうことがあります。
となれば、住所や間取りだけでなく、賃貸のお金の知識を前もって知っておくことも大事なお部屋探しの一つといえるでしょう。
入居時の初期費用は前家賃を含めると家賃の4ヵ月~6ヵ月分にもなります。
もっといえば、文京区の1ルームの相場で考えると年間賃料は100万円です。それだけ高額の買い物なのです。
申込の際、お金の交渉をすると面倒な客と敬遠されて入居できないのではないかと不安になる方もいらっしゃるかもしれませんが、あくまでもお客様と大家様、仲介業者は皆対等の関係ですので、要望だけでなく疑問や不安は契約前にしっかりと話し合っておくべきでしょう。
「自分にあった家賃を知りたい」
まず、一般的に家賃は「手取り金額の3分の1程度とするのが適正」であるとされています。 例を挙げると、手取りが30万円の場合、30を3で割ると、およそ10万円の家賃が目安ということになります。
しかし、家賃の枠を上限いっぱいにすると急な出費などがあった場合対応出来ません。 そのため、可能ならば、手取りの4分の1ほどのラインで抑え、その分趣味・交際費や急な出費にも備えることで、ゆとりある生活が送れそうです。
30万円の4分の1は7万5千円ですから、だいたい7万5000円から10万円の間に設定することで、収支のバランスがとれるでしょう。
checkpoint!
手取りとは・・・給与から、年金や各種保険料、所得税、住民税などの税金を引いた金額のことです。差し引き前の金額で計算してしまうと、生活費が家賃で圧迫されてしまうことになりかねません。気を付けましょう。
「共益費と管理費に違いはある?」
次に、「管理費・共益費」とはなんでしょうか。また、その相場や家賃との違いを見ていきましょう。
まず、管理費と共益費の違いですが、賃貸物件の場合、同じ意味合いで使わているケースがほとんどです。 建物の維持管理を目的とした、日常の清掃代や設備の補修、設置、その他将来発生する修繕の備えなどその用途は様々です。(厳密には異なる物ですが、賃貸物件をお探しの際にはその違いを区別する必要はありません) そして、それらの相場は賃料のおよそ5~10%と言われていますが、物件によっては管理費無しの場合もあります。
しかし、管理費無しの物件でも建物の管理維持費は必ず発生しているものですから、管理費無し=管理費込みと考えたほうが良いでしょう。
また、そのような場合、気になるのが「管理費込みと管理費別どちらがお得か」ですよね。 まず、貸主としては管理費無しとした場合「管理費ゼロ物件」として割安感をアピールできます。
一方、管理費をあえて設定している物件はどうかというと、家賃を下げることが可能となり、家賃が下がれば、検索サイトで「○○万円以下」として検索した時のヒット数も増え、契約につなげやすくなるメリットがあります。
そのため、管理費の有無は、どちらも割安感を演出する方法として用いられているケースが多いようです。 管理費無しなので管理がずさんになったり、逆に管理費が1万円を超えるから共用部が綺麗といったことではないので、駐輪場やゴミ置き場なども含めて、建物の管理状況はご自身でしっかりと内見時に確認するようにしましょう。
checkpoint!
「管理費あり」の物件は、一見「家賃 + 管理費もかかる」と思われがちですが、実は初期費用を抑える効果があります。初期費用の算出には、敷金、礼金、仲介手数料を「家賃の○カ月分」としています。 そのため、管理費によって家賃が下がっている物件を選べば、敷金、礼金、仲介手数料などの費用が下がるため、初期費用の負担を軽減することが可能です。 例えば、管理費込み9万円の物件よりも家賃8.5万円管理費5千円の物件の方が初期費用が1万5千円程度抑えられることがあります。
「敷金・礼金・保証金」
続いて、いざ申込み・契約となると目に入ってくる敷金や礼金。 仲介手数料も払っているのに、その他に一体何のために、誰に払っているのでしょう?
・敷金
借主の家賃滞納や、部屋を故意に傷つけてしまった場合の修理費等の「大家側の担保」として、あらかじめ預けておく保証金の役割を果たします。
契約が終了し退去する時、敷金から「滞納分や、借主に責任のある損傷の修理費等」を差し引き、後日、残額が借主に返ってきます。
あくまでも、退去時に貸主側で清算されるものなので「今月は厳しいから敷金から家賃引いておいてください」というようなことや、「次の引っ越し費用の足しにしたいので明け渡しの時にすぐ残金を返してほしい」といった請求は出来ませんので気を付けましょう。
相場としては家賃1カ月分ですが、最近は敷金がゼロの物件も増えてきています。
checkpoint!
「敷金ゼロ」の物件が増えてきた背景には「家賃保証会社」の存在と「2020年の民法改正による原状回復義務の範囲が明確化」されたことにあります。
①家賃保証会社・・・今まで「連帯保証人」をたてることで担保されていた、家賃滞納や夜逃げなどの万が一に備えて、家賃保証会社に賃料、原状回復費、裁判手続きまで立替えや督促までを任せられるサービスで、現在8割以上の賃貸物件で導入されています。
②原状回復費用に関する改正・・・今までは不注意や故意の汚れや傷でなくともルームクリーニング代、補修代は借主が退去する際敷金から差し引かれる形で払わされているケースがほとんどでした。しかし、通常生活していれば当然発生する汚れ等については貸主側が普段の家賃収入から支払うべきと改正されたのです。 以上①②の存在により預り金である敷金の使い道が減り、であれば最初から敷金をゼロとし、初期費用を抑えられる点を入居者にアピールしようという貸主が増えてきたのです。
・礼金
文字通り、部屋を所有する大家さんに対して、お礼の意味として支払います。以後返金されることはありません。
「鍵交換費用は必要?」
鍵交換については初期費用を抑えるために断りたいという意見もありますが、防犯上オススメは出来ません。 鍵交換で最も多いのは下記2つのパターンです。 ①貸主(又は管理会社)がカギの差し込み口であるシリンダーを複数個準備し、入居者の変わるタイミングで他の建物や部屋で使っていた鍵を安全を考慮しながら使いまわす
②全く新品のものに変える どちらも鍵交換費用がかかる場合があるので、新品に取り換えるのかどうか不安な場合は必ず契約前に確認しましょう。尚、交換代の相場は鍵の種類によって10,000~20,000円程度で変動します。
checkpoint!
たまに「新築物件なのに鍵交換費用を請求された」という相談を受けます。しかし、鍵交換の意義として「前の入居者が使っていた鍵を交換することで不法侵入のリスクを減らす」ことが大前提となります。 そのため、よほど気に入った物件でないのであれば、そちらの不動産会社&大家さんの物件は見直す必要があるかもしれません。でなければ、知らないうちに貸主優位の特約が契約書に盛り込まれていたり、何かトラブルがあっても費用の発生を拒んで即座に対応してもらえないがめつい大家さんかもしれません。
「仲介手数料はだれに払うもの?」
仲介手数料とは、物件を紹介してくれたお礼として、契約者(借主)が不動産会社に対して支払うお金です。 不動産会社は、契約者が物件を決める際に、物件検索、内見、内容交渉、契約書作成などを行います。 そのようなサービス全てに対して、物件が決まった際の成功報酬として頂くのが「仲介手数料」です。 また、この仲介手数料は契約が成立して初めて発生するものなので、不動産会社は契約が決まらない限り仲介業の報酬を得ることが出来ません。
checkpoint! 実は宅建業法の原則では、仲介手数料は家賃の半月分とされています。しかし原則とは別に、「契約者の承諾があれば、最大で家賃の1ヶ月分(消費税別)まで契約者から仲介手数料をもらっても良い」と定められており、そのため一般的に仲介手数料は「家賃×(1ヵ月分+税)となることが不動産業界の通例」となっているのです。
今回は賃貸のお金について書かせていただきました。いかがでしたか?
知っているようで知らなかったこともあったのではないでしょうか。
是非今後のお部屋探しにお役立てください。
お得な情報、正しい知識を手に入れて快適な賃貸ライフを。
千駄木の賃貸仲介、賃貸管理なら光信不動産へ。